看護師の平均年収が高い都道府県はどこでしょうか?おそらく多くの方が首都圏を想像するでしょう。実際に、平均年収が一番高いのは東京都です。せっかく働くなら年収は高い方がいいと考える方は多いと思います。では、東京で看護師として働くと年収はどのくらいになるのでしょうか?また東京では、美容クリニックや一般企業など、病院以外で看護師が活躍できる職場が多く存在しています。これらの平均年収などもご紹介しながら、主に年収という観点から東京で看護師として働くメリットやデメリットを解説していきます。

現在東京都で働いている看護師の方は、本記事を読むことで現状の自分が東京の平均と比較してどの立ち位置にいるかを把握し、今の職場が適切なのかを判断するのに役立てていただけます。
現在東京以外で働かれており、東京への転職を検討されている看護師の方は、本記事を読むことで東京の病院へ転職する検討材料にしていただければと思います。

看護師の平均年収はどのくらい?

まずは看護師の平均年収はどのくらいなのかをご紹介します。全国平均に加え、平均年収の高い都道府県の上位10をご紹介します。

全国の平均年収

まずは看護師の全国平均の年収を見ていきましょう。令和2年賃金構造基本統計調査によると、下記の通りとなります。

平均月収338,400
平均賞与857,500
平均年収4,918,300
出典:令和2年賃金構造基本統計調査

賞与も合わせて約491万円となっています。全国の平均年収が436万円ということを考えると、60万円ほど高いことになります。まずは看護師全体の平均年収は全国よりも高いということがお分かりいただけると思います。

平均年収の高い都道府県ベスト10

全国の平均年収が分かったところで、東京を含む平均年収の高い都道府県ベスト10を表にしました。
なお出典元に平均賞与についての記載がなかったため、平均月収の2.5倍を平均賞与と概算して反映しています。

都道府県平均月収平均賞与平均年収
東京都349,331873,3285,065,300
千葉県342,982857,4554,973,239
神奈川県340,027850,0684,930,392
大阪府338,228845,5704,904,306
静岡県335,147837,8684,859,632
埼玉県333,397833,4934,834,257
愛知県332,125830,3134,815,813
三重県330,769826,9234,796,151
兵庫県326,172815,4304,729,494
奈良県324,672814,1804,722,244
出典:2020年病院看護実態調査報告書

ちなみにこちらのデータは、勤続10年、31~32歳、非管理職の看護師の平均となっています。やはり首都圏や都市部が多いことが一目瞭然ですね。静岡県や愛知県など東海地方も平均年収の高い県があります。年収を上げたいという視点のみで判断した場合、首都圏で働くことが近道だと言えます。全47都道府県の平均年収はこちら

看護師として東京で働く自分の今の年収は高いと言えるのか?

それでは次に、東京における看護師の年収に絞って考えていきましょう。そして、看護師として東京で働いている方は、自分は年収が高い方なのかそうでないのかを見直してみてください。

東京の平均年収

先ほどもご紹介した通り、東京都における平均年収は約506万円でした。これは、「勤続10年、31~32歳、非管理職」の看護師の方の平均年収であるため、一概に判断するのは難しいですが、自分の勤続年数や年齢がまだ下である場合には、年収はもう少し低くても問題ないかもしれません。逆に勤続10年超で年齢も上である場合には、高い必要があるかもしれません。

年代別平均年収

自分の今の年収の立ち位置がどのくらいなのかをもう少し正確に判断する材料として下記のデータが活用できます。これは、看護師の年齢別平均年収です。東京都に絞ったデータは見当たらなかったため全国の平均となりますが、まずは全国的に見て自分の年収はどの程度なのかを考える参考になります。

年齢層平均月収平均賞与平均年収
20~24歳284,500490,5003,904,500
25~29歳313,700755,0004,519,400
30~34歳324,000795,3004,683,300
35~39歳332,200822,3004,808,700
40~44歳342,900921,6005,036,400
45~49歳360,9001,012,9005,343,700
50~54歳373,3001,037,9005,517,500
55~59歳380,8001,063,2005,632,800
60~64歳336,100806,9004,840,100
65~69歳305,500517,3004,183,300
70歳~312,300198,8003,946,400
出典:令和2年賃金構造基本統計調査

東京都における平均年収は31~32歳の場合が対象となっていたため、この表では30~34歳に当てはまります。全国平均で30~34歳の年収は約468万円となっており、約40万円の差があります。勤続年数は考慮されていないため正確性はやや落ちますが、東京都の平均年収の高さが窺えます。

今の自分は年収が高い方なのか、もっと稼げるはずなのかを判断する

東京でせっかく働いているのなら、全国平均よりは高い給料をもらいたいと考えるのは当然です。平均年収と比較して今の自分の年収が大幅に低かった場合、東京で働く大きなメリットを享受できていないとも言えます。この場合は、都内の別の病院や他県への転職などを検討したほうがいいかもしれません。

看護師として東京で働くことでどんなメリットがある?

次に、収入以外の面において看護師として東京で働くことのメリットとデメリットを挙げていきます。収入面だけでなく色んな面から検討することで、東京で働く価値はどのくらいあるのかを考えるための参考にしてみてください。

メリット

求人数が多い

都道府県の中で病院数が一番多いのは東京都です(出典:平成30年医療施設動態調査 )。それに比例して、求人数もやはり多くなっています。(出典:eナースセンター )。求人数が多いということはそれだけ選択肢が多くあるということになり、より自分に合った職場が見つかる可能性が高まります。

病院以外にも活躍できる場が多い

「病院以外で働いてみたい」という場合も、東京には看護師の経験を活かして就ける仕事がたくさんあります。例えば美容クリニックや、一般企業にて臨床開発モニター、産業看護師への転職などです。これらは、もちろん東京都以外でも求人は存在します。しかしその数が多いのはやはり東京都でしょう。病院以外に活躍の場を移してみたいと考えている方は、まずは東京都にある求人を探してみるとよいでしょう。

勉強会が多い

こちらは特に、資格取得に向けて研修や勉強会に参加したいと思っている方にとって大きなメリットとなります。看護師に限らず、重要な学会や展示会などは東京で開催されることがほとんどです。参加したい勉強会などがあっても、遠方に住んでいれば交通費がそれだけかかります。東京で働いていれば、多くの情報がいち早く手に入るため大きなメリットと言えます。

デメリット

家賃が高い

こちらは真っ先に出てくるデメリットでしょう。平均年収が高い分、生活費もそれだけ負担が大きくなります。特に、大きな固定費である家賃の高さは他県とは大きな差があります。病院によっては家賃補助や寮を完備しているところもあるため、負担を減らしたい場合はそのような病院に就職することも選択肢になります。

人口が多い

こちらはデメリットに感じない方も多いかと思いますが、挙げておきます。地方から就職や転職してきた方は、東京の人の多さに驚くことがあったと思います。どこに行っても混雑している場所が多く、最初は中々慣れないという方も多いです。しかし逆に言うと、人が多い分色々な出会いがあったり、プライベートで出かける場所が多く充実するなどメリットにもなります。これから東京で就職しようと考えている方は、都会が自分に合っているどうかを一度考えてみることをおすすめします。

東京で求人を探すときの注意点

現在地方などの病院で働いていて、東京の病院に転職したいと考えている方も多いかと思います。
ではそのように転職先を探すのがよいでしょうか?

これだけは譲れないという条件を固める

都内にはかなりの数の求人が常に存在するため、自分に合った病院を探すためには相当な時間をかけなければなりません。探していくうちに、「ここでいいや」と妥協したり、自分がどんな職場環境の病院を求めているのか分からなくなってくることがあります。せっかく転職するのですから、自分が妥協できない譲れない条件をまずは設定することが大切です。「給料は〇〇円以上」「夜勤は三交替制」など、具体的にここが最低条件だと決めてからの方が求人を絞れるでしょう。

看護師専門の求人サイトや転職エージェントを利用する

都内に無数にある求人の中から自分に合うものを自力で探すとなると、かなりの時間を費やすことになります。そこでおすすめなのが、看護師に特化した転職サービスを利用することです。その道のプロに力を借りることで、自分の希望する条件だけでなく、向こうからも様々な提案をしてくれます。転職活動は普段の業務と平行しながら行わなければならないため、いかに効率よく自分に合った求人を探すかが重要になってきます。特に都内の病院に転職することを考えている方は、こういったサービスを利用することは大いに価値があります。

まとめ

いかがでしたか?総合的に考えると、東京の病院で働くことは色々な面において十分に価値があるといえます。看護師という職業のメリットは、どの都道府県の病院でも人材不足のところが多いため、比較的転職もしやすくどこでも働けることです。東京で働くことで研修などに積極的に参加できたり、都会特有の病院のスピード感を体験したり、ご自身のキャリアにとってプラスとなる経験ができるでしょう。

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