個人目標で悩んでいる人は多い

どこの病院で働いていても、決まった時期に個人目標を立てて、目標達成のために努力しますよね。

一方で、毎回、自分で立てた個人目標を先輩や看護師長に提出する度に、厳しい修正依頼が来たり、ダメ出しされたりした経験がある方は多いのではないでしょうか?

実は、個人目標は決まった立て方や気をつけるべきポイントを知っていればそんなに難しいものではありません。

そのポイントを具体的な例文も交えて解説していきます

看護師の個人目標とは?

個人目標とは、看護部全体の目標や、日々の業務に合わせて、看護師一人一人がどう行動するべきかを逆算して個人単位で立てる目標のことを言います。

個人目標を立てることによって、看護部の目標を意識し、目標達成のために行動できるように設定されています。

あくまで、看護部全体の目標達成のために、看護師個人の目標があるということは覚えておきましょう。

なぜ看護師は個人目標を立てる必要があるのか?

そもそもなぜ個人目標を立てる必要があるのでしょうか?

この個人目標を立てる意味を理解していることはいい個人目標を立てるための第一歩ですので、改めて確認してみましょう。

主に以下の3つの理由があります。

①先輩や看護師長からの指導を行いやすくする

②看護師全体のレベルを上げる

③目標を達成することで、モチベーションの向上につながる

それぞれ見ていきましょう。

①先輩や看護師長からの指導を行いやすくする

個人目標を立てる時、必ず先輩や看護師長からアドバイスを受けたり、面談を重ねたりしますよね。

その度に、そもそも看護の質を上げるために自分に何が足りないのか、優秀な看護師とはどんなことができる人なのかなどの適切なゴールや、そのために何をするべきなのかといった具体的な行動などを伝えていきます。

個人目標を立てることにより、普段の業務中では行えないより的確な指導を行うことができるのです。

②看護師全体のレベルを上げる

看護師の業務は多忙であり、目の前の業務ばかりに集中してしまいがちです。目標を立てないと、業務終わりや夜勤明けに行われる勉強会なども、疲労によりなかなか進んで参加する気持ちになりにくいですよね。

一方で、具体的な目標が定まっており、それを達成する気でいれば、自ら進んで目標達成のために必要な行動が取れます。

このようにひとりひとりが目標に向かって努力することで、看護師の全体のレベルアップにつながります。

看護師がレベルアップにすることで、看護の質が上がり、結果として病院全体の質が上がることにもなるので、病院にとっても、個人目標を立てることは非常に重要なことなのです。

③目標を達成することでモチベーションの向上につながる

自分で立てた目標を達成することにより達成感や自分の成長を味わうことができます。これが仕事のやりがいにつながり、日々のモチベーション向上にもつながります。

看護師の個人目標を立てる時のポイント

良い個人目標を立てる時に参考になる「SMART」という法則に基づいて目標の書き方を解説していきます。

「SMART」とは?

SMARTの法則とは、目標を立てる際に必要な5つのポイントの頭文字をとった言葉です。5つのポイントは、「Specific:具体的、分かりやすい」「Measurable:計測可能、数字になっている」「Achievable:同意して、達成可能な」「Relevant:関連性」「Time-bound:期限が明確、今日やる」です。

Specific:具体的、分かりやすい

目標そのものや、目標達成のための行動はできるだけ具体的にしましょう。例えば、「疾患に詳しくなる」という目標であれば、より具体的に「〇〇の疾患について参考書を読み詳しくなる」といったように具体的にすることで、目標の質が上がります。

Measurable:計測可能、数字になっている

個人目標は計測可能、できれば数字で表現できるものにしましょう。これは第三者が評価できるものにするためです。

例えば「〇〇できるように努力する」「〇〇を頑張る」という目標だと、周りの人は目標が達成できたのかどうか判断できません。

ですので、「〇〇の疾患の勉強を頑張る」という目標であれば、「○月までに〇〇の疾患について勉強し、レポート○枚にまとめてくる」といった誰が見ても評価できる目標にしましょう。

Achievable:同意して、達成可能な

個人目標は高ければ高いほど良いというものではありません。

新人看護師が、いきなり患者さんの疾患やアセスメントについての目標を立てtr達成するのは現実的ではありませんし、逆に3年目の看護師が採血が一人でできるようになるという目標も無理がありますよね。

個人目標は今の自分の段階にあった目標にする必要があります。

Relevant:関連性

個人目標は複数ある場合が多いと思います。これらそれぞれが独立した目標ではなく、関連性をもった目標にすることが最適です。

また、看護部全体の目標との関連性も意識しましょう。

冒頭にお伝えした通り、看護師の個人目標を立てる目的は、個人目標の達成により看護部全体の目標を達成していくためにあります。

ですので、自分の個人目標を達成した結果、看護部全体の目標達成にも貢献ができることを説明できれば、先輩や看護師長からの厳しい指摘はなくなるでしょう。

Time-bound:期限が明確、今日やる

最後に、個人目標には期限をも明確に設けるようにしましょう。これまでの4つを満たしていても、いつまでに達成するかの期限が定まっていない場合モチベーションを維持することが難しくなります。

看護師の個人目標の具体例

それでは看護師の具体的な個人目標の書き方を「新人看護師の場合」と「中堅看護師の場合」の2つに分けてお伝えします。

新人看護師の場合

新人看護師は、まずは看護師の基礎をしっかりと身に着け、徐々に業務の段階を上げていくことが重要です。

新人看護師の目標管理シートの例文として

採決を〇月までに一人で行えるようにする

毎日参考書を〇時間マニュアルを読み込み、指示を受けずにできる業務を〇個増やす

ナースコールを誰よりも早くとる

毎日、勤務時間〇分前には出勤する

研修や勉強会に〇回参加し、〇か月後には△をできるようにする

などが挙げられます。

中堅看護師の場合

病院によっては、3年目から初めて目標管理シートの作成を行うというところもあります。

中堅看護師の目標管理シートの例文は

週1度は入院患者さんの家族に電話連絡を行うことで、〇か月後にはクレームをゼロにする

〇〇についての専門的な知識、技術を身に着け、△年でリーダーにつく

受け持ち患者さんのカンファレンスを〇月までに△回以上実施する

新人看護師への指導のため、〇月までにマニュアルを読み返す

毎日〇分、医師と患者さんの情報共有を行い、患者さんからの質問にすべて即答できるようにする

などが挙げられます。

具体的、かつ評価しやすい目標を立てよう

個人目標を立てなければいけない時期がくるたびに、毎回悩みます。

しかし、自分の成長にもつながる大切なものであるため、先輩看護師や師長からも正しく評価・指導してもらえるよう、明確に、かつ自分のレベルにあった目標設定をするようにしましょう。

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