看護師をしている方で、

「自分の給与は所属している自治体からみてどのくらいなのか」
「所属する自治体の看護師の給与は全国的に高いのか?低いのか?」

気になっている方は多いのではないでしょうか?

当記事では、都道府県の年収ランキングを、新卒看護師と勤続10年の看護師に分けて紹介していきます。
地方別の平均年収や、地域によって年収に差がでる理由についても解説していきますので、興味のある方はぜひご覧になってください。

看護師の平均年収(賞与除外)は〇〇万円!

前提として、今回紹介している年収は賞与を除いた額になっています。
年齢にもよりますが、看護師の賞与は20代前半で40〜50万円、30代で80万前後と言われています。

看護師の平均年収は以下のとおりです。

出典:日本看護協会「2020年 病院看護実態調査 報告書」※百円以下の単位は切り捨て

今回参考にさせていただいているのは、日本看護協会のデータになります。
当記事では、新卒看護師は大卒の方のデータを使っていますが、2020年 病院看護実態調査 報告書」では高卒+3年課程新卒のデータもありますので気になる方は調べてみて下さい。

都道府県別、看護師の平均年収ランキング

新卒看護師(大卒)のランキング

順位都道府県平均年収
1東京都350.2万円
2千葉県347.4万円
3大阪府347.0万円
4神奈川県345.0万円
5静岡県342.6万円
6愛知県338.9万円
7埼玉県338.6万円
8兵庫県336.6万円
9滋賀県331.7万円
10茨城県325.7万円
11鳥取県325.3万円
12岐阜県324.6万円
13島根県323.4万円
14栃木県322.7万円
15京都府322.2万円
16群馬県321.8万円
17奈良県320.1万円
17三重県320.1万円
19石川県319.2万円
20山梨県319.1万円
21福井県318.8万円
22大分県318.3万円
23長野県317.6万円
23宮城県317.6万円
25北海道317.0万円
26富山県316.5万円
27山口県316.1万円
28徳島県315.7万円
29福島県315.4万円
30新潟県313.8万円
31広島県312.5万円
32和歌山県309.7万円
33沖縄県309.6万円
34福岡県309.3万円
35岡山県308.6万円
36高知県306.8万円
37岩手県306.3万円
38佐賀県306.1万円
39山形県305.7万円
40長崎県303.6万円
41青森県300.3万円
42香川県300.1万円
43熊本県295.8万円
44秋田県290.6万円
45愛媛県289.6万円
46鹿児島県286.4万円
47宮崎県280.9万円
2020年 病院看護実態調査 報告書」もとにメディキャリねこ集計

首都圏や東海地方、関西地方は平均年収は高い

データを見ると、首都圏や東海地方、関西地方の人口の多い地域では、年収も高くなっていることが分かります。
反対に、四国地方や九州地方などの都市圏から遠い場所では年収は低くなっています。

総務省統計局のデータと比較すると、福岡県は当てはまらないものの、
人口密度の高い都道府県の看護師の年収は高く設定されていると考えられます。

特筆すべき点として、新卒看護師の平均年収(324.3万円)を下回った都道府県が35県あったことが挙げられます。
人口が都市圏に集中している結果といえるでしょう。

勤続10年、非管理職看護師のランキング

順位都道府県平均年収
1東京都419.1万円
2千葉県411.5万円
3神奈川県408.0万円
4大阪府405.8万円
5静岡県402.1万円
6埼玉県400.0万円
7愛知県398.5万円
8三重県396.9万円
9兵庫県391.4万円
10奈良県390.8万円
11京都府388.8万円
11山梨県388.8万円
13滋賀県388.3万円
14島根県383.2万円
15茨城県382.7万円
16新潟県382.4万円
17岐阜県382.1万円
18富山県381.1万円
19鳥取県379.0万円
20石川県378.8万円
21長野県378.4万円
22北海道377.9万円
23山形県377.4万円
24群馬県377.3万円
25栃木県376.9万円
26福井県375.8万円
26宮城県375.8万円
28岩手県374.8万円
29広島県374.1万円
30和歌山県373.4万円
31山口県370.4万円
32沖縄県369.5万円
33秋田県368.5万円
34福島県362.4万円
34福岡県362.4万円
36徳島県359.3万円
37岡山県357.9万円
38香川県357.4万円
38大分県357.4万円
40愛媛県355.8万円
41青森県355.6万円
42長崎県353.0万円
43佐賀県345.3万円
44高知県343.4万円
45鹿児島県340.8万円
46熊本県340.4万円
47宮崎県335.3万円
2020年 病院看護実態調査 報告書」もとにメディキャリねこ集計

10年間で年収が一番増加したのは「秋田県」

勤続10年目の看護師のデータでも、年収の順位は新卒の場合と比べ、大きい変化はありませんでした。

そこで、年収の増分(勤続10年の年収-新卒の年収)をすると、一番増えたのは77.8万円で秋田県でした。
次いで、三重県(76.7万円)→山形県(71.7万円)→奈良県(70.6万円)と続きます。

一方で、年収の増分が一番小さかったのは、高知県(36.5万円)でした。
次いで、大分県(39.0万円)→佐賀県(39.1万円)→徳島県(43.6万円)と続きます。

年収の増分が最も多い秋田県は44位(新卒)から33位(勤続10年)となっており、
逆に増分が最も少ない高知県は36位(新卒)から44位(勤続10年)となっています。
一時点の年収だけでなく、どれだけ年収アップするかも、働く上での重要な指標になるといえます。

地方の平均年収と各都道府県の年収を比較してみた!

北海道・東北地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
北海道317.0万円377.9万円
青森県300.3万円355.6万円
岩手県306.3万円374.8万円
宮城県317.6万円375.8万円
秋田県290.6万円368.5万円
山形県305.7万円377.4万円
福島県315.4万円362.4万円

全ての都道府県が全国平均の年収を下回っており、全国的にみても看護師の給与は低いです。

北海道・東北地方における平均年収は、307.5万円(新卒)、370.0万円(勤続10年)になります。

北海道・宮城県が新卒と10年目で共に地方平均を超えており、地域内で見れば看護師の給与は高いといえそうです。

関東地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
茨城県325.7万円382.7万円
栃木県322.7万円376.9万円
群馬県321.8万円377.3万円
埼玉県338.6万円400.0万円
千葉県347.4万円411.5万円
神奈川県345.0万円408.0万円
東京都350.2万円419.1万円

首都である東京都を含む関東地方は、全国的にみても看護師の年収が高いです。

関東地方における平均年収は、335.9万円(新卒)、396.5万円(勤続10年)になります。

地方平均も全国平均を上回っていますが、特に東京都・神奈川県・千葉県は地方平均をさらに上回っており、全国屈指の給与の高さとなっています。

北陸・甲信越地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
新潟県313.8万円382.4万円
富山県316.5万円381.1万円
石川県319.2万円378.8万円
福井県318.8万円375.8万円
山梨県319.1万円388.8万円
長野県317.6万円378.4万円

新卒では全ての都道府県で全国平均を下回っていますが、10年後では全国平均を超える県もみられます。

北陸・甲信越地方における平均年収は、317.5万円(新卒)、380万円(勤続10年)になります。

地域内では、山梨県のみが新卒と10年目で地方平均を上回っており、給与が良いといえるでしょう。

東海地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
岐阜県324.6万円382.1万円
愛知県338.9万円398.5万円
静岡県342.6万円402.1万円
三重県320.1万円396.9万円

三大都市の名古屋を抱え、他の都市からも近い東海地方は、全国的にみても年収の高い地域と言えます。

地方平均は331.5万円(新卒)、394.9万円(勤続10年)となっており、関東地方と同様に全国平均を大きく上回っています。
岐阜県のみが新卒、勤続10年でともに地方平均を下回っている他、三重県が新卒では地方平均より低い数値です。

関西地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
滋賀県331.7万円388.3万円
京都府322.2万円388.8万円
大阪府347.0万円405.8万円
兵庫県336.6万円391.4万円
奈良県320.1万円390.8万円
和歌山県309.7万円373.4万円

関西地方は、和歌山県を除いて全体的に給与が高い地域となっています。

地方平均は、327.8万円(新卒)、389.7万円(勤続10年)となっており、どちらも全国平均を上回っています。

関西地方の中でみると、大阪府→兵庫県→滋賀県の順に給与が高くなっています。

中国地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
鳥取県325.3万円379.0万円
島根県323.4万円383.2万円
岡山県308.6万円357.9万円
広島県312.5万円374.1万円
山口県316.1万円370.4万円

中国地方は全国平均を下回る県が多いですが、地域のうちにも年収に差があることが分かります。

中国地方の地方平均は、317.8万円(新卒)、372.9万円(勤続10年)となっており、どちらも全国平均以下となっています。

地方内では、鳥取県と島根県が地方平均を超える年収となっており、給与が良いといえるでしょう。

四国地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
徳島県315.7万円359.3万円
香川県300.1万円357.4万円
愛媛県289.6万円355.8万円
高知県306.8万円343.4万円

四国四県は、全ての県が全国ランキングで35位以下になっており、看護師の給与は低くなっています。

地方平均は、302.9万円(新卒)、353.9万円(勤続10年)となっており、どちらも全国平均を大きく下回っています。

新卒と10年後の両方で地方平均を超えているのは徳島県だけであり、四国地方の中では頭一つ抜けている県といえます。

九州・沖縄地方

都道府県平均年収(新卒)平均年収(勤続10年)
福岡県309.3万円362.4万円
佐賀県306.1万円345.3万円
長崎県303.6万円353.0万円
熊本県295.8万円340.4万円
大分県318.3万円357.4万円
宮崎県280.9万円335.3万円
鹿児島県286.4万円340.8万円
沖縄県309.6万円369.5万円

都市圏から距離の遠い九州・沖縄地方は全国的にみても給与が低く、全ての県が全国平均を下回っています。

九州・沖縄地方の地方平均は、301.2万円(新卒)、350.5万円(勤続10年)となっており、他のどの地域よりも平均が低くなっています。

地方内でみると、新卒年収が地方トップの大分県、10年後の年収が高い福岡県と沖縄県が給与が良いと言えそうです。

まとめ「地域によって年収に差が出る理由とは」

ここまで読み進めていただいた人の中には、地域によってここまで年収に差があることに驚いた方もいるのではないでしょうか?

看護師の給料にここまで大きな地域差が出る理由には、

などの理由が挙げられます。

実際に、全国的に給与や物価、賃貸などが高い都市部では、看護師の年収も高くなっています。
また、人口の多い都市部のほうが看護師の数が不足しているのも事実でしょう。

当記事では、各都道府県の年収を平均と比較しながら、紹介してきました。

ただし、あくまでも各都道府県の平均というだけで、地域内でもそれぞれの病院によって給与が異なることは理解しておく必要があります。

そういった事実を心得ておく必要はありますが、これからの看護師としてのキャリアを考える際に、参考にしていただけると幸いです。

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