目次
准看護師と正看護師の違いは?
業務範囲の違い
看護師と比べた時に准看護師のポイントは、「国家資格ではないこと」及び「医師や看護師の指示なしの業務は行えないこと」があげられます。
看護師 | 准看護師 | |
資格 | 厚生労働大臣が認定する国家資格 | 都道府県知事が認定する免許 |
定義 | 傷病者もしくは、じよく婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者(保助看法第5条) | 医師、歯科医師または看護師の指示を受けて、前条(保助看法第5条)に規定することを行うことを業とする者(保助看法第6条) |
業務 | 自らの判断で業務を行える | 自らの判断による業務は行えない |
准看護師は業務範囲は看護師とは変わりません。
注射・採血、点滴、血圧・体温・脈拍などの測定、食事介助、入浴介助、排せつ介助、手術の補助、夜勤巡回、患者さんの移送、カルテの記載などを、看護師と同じようにおこないます。
給料の違い
看護師と准看護師を比べた際、基本的に看護師の方が給料が高いです。
看護師の平均給料は491万円(平均年齢41.2歳)なのに対して、
准看護師の平均年収は413万円(平均年齢50.1歳)とおよそ80万円ほどの違いがあります。
(図解を入れる。)
データ出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
正看護師になると何がいいのか?
准看護師から正看護師になると何がいいのでしょうか?
まず一つ目は金銭面です。上記でお伝えした通り正看護師と准看護師では平均年収が80万円ほど差があります。
二つ目がキャリアの選択肢が増えることです。
まず准看護師のままでは、リーダー的な存在になることはできても、看護師長など具体的な役職に着くことはなかなかできません。
また、准看護師では取得できない資格として以下のものがあります。
・助産師
・保健師
・認定看護師
・専門看護師
これらの資格は正看護師になることで取得が可能であるため、准看護師から正看護師になることによってキャリアの選択肢が広がるのです。
准看護師から正看護師になるには?
准看護師から正看護師になるには、養成校で看護師養成2年課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。ここで重要になってくるのが学校選びです。看護師養成2年課程には3つのコースがあります。自分の学歴に応じて条件に合うコースを選ぶ必要があります。
看護師養成2年課程 3コース 早見表
全日制 | 定時制 | 通信制 | |
教育年限 | 2年 | 3年 | 2年 |
受験要件 | 准看護師資格を有すること(中学校卒業の場合は、准看護師として実務経験3年以上) | 准看護師資格を有すること(中学校卒業の場合は、准看護師として実務経験3年以上) | 准看護師資格を有すること(准看護師として実務経験7年以上) |
高等学校を卒業している方
高等学校を卒業している方は、看護系専門学校や看護系短期大学の全日制で2年課程修了するか、定時制で3年課程修了するか、准看護師としての実務経験年数が7年以上であれば通信制で2年課程修了で国家試験に臨めます。
高等学校を卒業していない方
高等学校を卒業していない方は、まず看護系短期大学へ入学することができません。よって看護系専門学校を受験する必要がありますが、こちらの受験のためには条件があります。
准看護師としての実務経験が3年以上という条件です。こちらを満たしていれば、看護系専門学校の全日制2年課程修了もしくは定時制3年課程修了で国家試験に臨めます。
また准看護師としての実務経験が7年以上あれば通信制で2年課程修了して国家試験に臨むことができます。
看護師国家試験について
看護師国家試験は毎年合格率90%前後を推移しており、本気で望めば合格することは難しくありません。
毎年2月に保健師助産師看護師法 第18条の規定よって施行されます。
試験会場はは北海道・東京都・大阪府・青森・宮城・新潟・愛知・石川・広島・香川・福岡・沖縄になります。
受験料として5400円が必要になります。
准看護師から正看護師になるためにかかる費用
養成学校にかかる費用
准看護師から正看護師になるために専門学校、短期大学に通う必要がありますが、その学費は学校によって異なります。
おおよその額を確認してみましょう。
専門学校は約250~300万
短期大学は約500~700万円
高い学費も看護奨学金で負担可能!
なかなか高額な学費ですので不安になる方もいらっしゃると思いますが、ご安心ください。
看護師を目指す方をサポートする体制として、看護奨学制度が存在し、看護学校に通う学生が、毎月5万円ほど負担してくれます。
(図解)
看護奨学金は他の奨学金とは異なり、条件によって返済する必要がございません。
准看護師の方の今後のキャリアについて
准看護師は廃止される方向性?
准看護師制度の資格は、第二次世界大戦後の看護師不足の中、まだ女性の進学率が高くない状況で、高校を卒業していなくても看護師を目指せるような制度として導入されました。
一方で、現代の医療においては看護師により高度な専門性が求められ、また自律的に行動できる看護師がもtめられていることから、看護師資格を正看護師にまとめるべきという考えが広まっています。
実際に神奈川県では准看護師の養成をストップしたり、准看護師から正看護師になるための条件が緩和されたりと脱准看護師制度の流れがあります。
一方でクリニックでは准看護師の需要増大
一方で看護師の慢性的な人材不足は続いており、その影響でクリニックや介護施設等では准看護師の募集が増加しています。
中には高額報酬のクリニックも出てきています。
今後の動きを考えながら、准看護師としてやっていくか、正看護師を目指すかをご自身の状況に照らし合わせて考えましょう。
メディキャリねこでは、准看護師の方でも待遇が良く働けるクリニックの求人を取り揃えていますのでお気軽にご相談ください。
音楽専門学校を卒業後、外資系メーカーの日本法人にて営業に従事。その後、関西支社の立ち上げや営業部長を経て、30歳から人材紹介を行う。医療・IT業界を中心に、これまでに紹介件数400件以上、面談件数2,000人以上の実績を積む。特に医療分野では、日本全国の医療施設を周り、各地の地域性を学びIターンやUターン転職支援も行う。一人一人のキャリアプランも見据えたコンサルをモットーに、「提案する」キャリア支援を心がけている。