この記事を見つけてくれた方々は、「看護師の仕事がキツイけどなんとか働き続けたい」と考えている方かと思います。
当記事では、看護師一年目の転職をオススメしない理由と仕事を続けるコツを解説しています。
しかし、一部例外として転職したほうが良い場合もあるので、そちらも後半で触れていきます。
目次
【結論】一年目での転職はやめたほうがいい
一年目の看護師が転職したいと思う理由には以下のようなものがあります。
- 覚えるべき仕事が多すぎる
- 仕事をしながらの勉強が大変
- 先輩看護師との関係が難しい
- 看護業務の緊張感で疲れてしまう
結論から述べると、上記のような理由で転職を考えているのならやめたほうがいいです。
厳しいことをいうようですが、看護師一年目が辛いのは当たり前であり、どんな看護師でも基本的にはきつい時期を乗り越えて成長しています。
看護師一年目を乗り越えることのメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
【看護学生必見】看護師一年目の仕事内容とは? 初任給や夜勤開始時期など気になるあれこれを徹底解説!
一年目の看護業務自体が大変というのであれば、転職をしても改善せず短期転職を繰り返すことになりかねないので、看護師として働き続けたい方にはおすすめはできないです。
ただ、上記以外の理由で転職をしたほうが良い場合もありますので、この記事の後半でお伝えできればと思います。
この後、転職を勧めない理由を挙げさせていただきますが、基本的には3年以上の期間働き続ける方が良いと考えています。
一年目での転職がおすすめできない理由5選
採用してもすぐに辞めると思われる
一年目で転職をしていると、病院の採用担当から「すぐやめるのではないか」とマイナスの印象を持たれます。
また、短期の転職をしているため、求職者の人間性に問題があるのではないか疑われることも多いです。
せっかく採用した看護師が早期退職してしまうと、教育費用が無駄になりますし、また新たに求人を出す費用もかかります。
そのため、勤続年数が長い看護師と比べ採用されにくい可能性が高いです。
辛いことから逃げ出したという印象を持たれる
先程の「早期退職されると思われる」と似ている部分がありますが、
辛いこと、大変なことから逃げ出したというレッテルが貼られてしまいます。
看護師という仕事は辛い部分、大変な部分がどうしてもあるため、
採用担当者が求めている人物像は、辛いことも頑張って乗り越えられる人が多いです。
そのためか、病院によっては一年目看護師を受け入れていないところもあります。
さらに、転職できたとしても他の看護師からマイナスなイメージを持たれることもあり、
職場内の人間関係で悩まされる場合があるようです。
スキル・経験不足が不利に働く
一年目で転職した看護師は、新人研修も受け終わっておらず技術や経験が乏しいです。
それ故に、「同期より出遅れる」「経験のある看護師が優先される」という2つの問題が生まれます。
まず、収入面でもキャリアの面でも、同期の看護師より遅くなります。
看護師の多くは、理想の働き方、理想の収入があると思いますが、そういった希望を実現するには技術やスキルが不可欠です。
次に、看護師業界に限らず中途採用では経験と技術がある人材が優先して採用されます。
一年目よりも二年目、二年目よりも三年目が評価されることを覚悟しておきましょう。
転職が難しく、さらに落ち込んでしまう可能性も
一年目の転職は不利な要素が多いため、すぐに転職が決まることは難しいです。
一年目を募集していない病院もあるため、求人の母数が少ないうえに、
履歴書に一年目と記載するだけで落とされることもあり精神的にも負担がかかります。
看護師は売り手市場というイメージがあるがゆえに、現実と理想のギャップに苦しむことになります。
好条件の求人への転職はほぼ不可能
看護師一年目で転職ができたとしても好条件の職場で働くのはかなり難しいです。
夜勤がきつく、夜勤のない仕事に転職ができたとしても夜勤手当のない状態で年収は50万円以上下がります。
一年目転職で、高給与・高待遇の求人はなかなか巡り会えません。
転職を決める前に試してほしい4つのこと
働くことが辛いと思っている新人看護師が仕事を続けるコツは4つあります。
- 同期と辛さを分かち合う
- 先輩に経験談を聞く
- 有給があれば一旦休んでみる
- 部署異動を申し出る
同期と辛さを分かち合う
看護師の仕事が辛い…と1人で抱え込んでいる方は、同期の看護師に打ち明けてみて下さい。
冒頭にも挙げましたが、看護師一年目は誰でも辛いものです。
きっとあなたと同じように看護師の仕事が大変だと感じている仲間がいます。
二年目以上の看護師でも、一年目は辛かったけれど同期の看護師と愚痴を言ったり、
プライベートでストレス発散をすることで乗り越えることができたという方は多いです。
同期と辛さを分かち合い、支え合うことでもう少し頑張ってみることができるのではないでしょうか。
先輩に経験談を聞く
あなたの職場にも、仕事ができて尊敬する先輩看護師はきっといると思います。
そんな完全無欠に見える先輩にも、新人看護師であった時代があります。
先輩が一年目をどんな方法で乗り越えたのか、辞めたいと思ったときはあったのか。
詳しく話を聞いてみると、仕事に対するモチベーションアップに繋がるのではないでしょうか。
仕事でしか関わりのない先輩も、プライベートの話をすると仲良くなれるかもしれません。
先輩と良い関係を築くと働きやすくもなるので、とてもおすすめです!
有給があれば一旦休んでみる
精神的・身体的にきついと感じる場合は、有給をもらって身体を休めることも良いと思います。
一旦、看護師の仕事から離れて趣味やプライベートを満喫することで、自然と仕事に対するモチベーションが高まり、もう少しだけ頑張ってみようという気持ちになることもあります。
また、休みの間に自身のキャリアや今の職場で働くメリット・デメリットについて考えてみるのもいいでしょう。
離れてみることで発見できる仕事のやりがいや楽しさもあるかもしれません。
部署異動を申し出てみる
所属している診療科で人間関係に悩んでいる場合などは、他の診療科に移ることで辛い状況から抜け出すことができるかもしれません。
病院側も辞めてしまうよりは異動して働き続けてくれたほうが良いので、承諾してくれる可能性は高いです。
実際に、診療科を変えることで人間関係の悩みから開放されて、働きやすくなったという例もあります。
ただし、転職をおすすめする場合もある
ここまで看護師一年目の転職には否定的な考えを述べさせていただきましたが、
例外的に転職をおすすめしている場合もあります。
- 不眠やうつなどの健康障害
- 職場が労働基準法に違反している
- 全く違う領域を希望している
上記に当てはまるのであれば、できるだけ早く転職したほうがいいです。
不眠やうつなどの健康障害
不眠症やうつ病など、健康に影響が出ている場合には転職を考えて良いと思います。
しかし、転職も身体的・精神的に辛くなる場面はあるので、一度休みを取ったり、休職するなどして身体の体調を万全にしてから転職活動を始めめしょう。
職場が労働基準法に違反している
勤め先が労働基準法に反し、不当な労働を強要される場合には迷わず転職をしましょう。
一年目で転職したとしても、不当な労働時間や時間外労働を示すことができればマイナスイメージは持たれません。
転職活動で採用担当者に悪質な労働環境を理解してもらう必要があるので、月の残業時間や休日数などは具体的な数値を記録しておくと良いです。
全く違う分野を希望している
美容外科や美容皮膚科など、現在の業務と全く違う分野を希望している場合にも転職はおすすめです。
むしろ余計な知識が入っておらず育てやすい存在とされ、転職に有利な場合もあります。
美容外科・美容皮膚科などは見た目の若さを重視していて若い人が有利になります。
分野によって求められる人材は変わってくるので、調べてみると良いかもしれません。
一年目で転職する場合に、気をつけておきたいこと
看護師が一年目で転職する時のポイントを解説していきます。
- 転職先について、情報収集を徹底する
- 面接でマイナスなイメージを持たせない
- 転職先が決まるまでは、仕事を辞めない
情報収集を徹底する
希望する転職先については、徹底的に調べましょう。
看護師は短い期間で転職を繰り返すにつれて転職が難しくなります。
さらに、キャリアアップにも遅れが出るため、転職後のミスマッチは可能な限り避けたいです。
具体的な方法としては、
・転職エージェントに求人内容について詳しく聞く
・候補の転職先に職場見学に行く
などが挙げられます。
特に、職場見学はそこで働く看護師の雰囲気や、患者の多さなども知ることができるので非常におすすめです。
面接でマイナスなイメージを持たせない
看護師の転職において、転職回数以上に重要とされるのが転職理由です。
できるだけ、前向きな転職理由を話すようにしましょう。
現在勤め先に不満があって転職活動をしている場合でも、そのまま伝えてしまうと、採用担当者は「少し嫌なことがあったら辞めてしまうのではないか」と不安を抱きます。
ただ、ブラックな労働環境が原因で転職を決めた場合には、不当に働かされていたことを伝える必要があります。その場合には、採用担当にも共感してもらえるように具体的な数字を提示するようにしましょう。
具体的には、「一ヶ月間で◯時間の残業があり、残業手当も未払いでした」といった感じです。
転職先が決まるまでは仕事を辞めない
転職活動中の看護師が仕事をやめるのは、転職先が決まってからの方が良いです。
理由は、「一年目の転職は長期戦になる」「仕事を辞めてからだと、転職を焦る」の2点です。
まず、前述したように一年目看護師の転職は難易度が高いです。
想定した場合よりも時間がかかる事が多いので、余裕を持って転職活動を進めていけるように仕事を続けておくと良いと思います。
次に、仕事をやめてからの転職活動だと制限時間ができます。
つまり、収入源がないため仕事が決まらないと生活が苦しくなっていうということです。
お金が少なくなり、焦りが生じると選定が甘いまま転職先をきめることになり、ミスマッチが起きやすくなります。
良い転職先に巡り合うためにも、仕事をしながらの転職活動をおすすめします。
また、このときに同じ職場で働く看護師に転職活動をしてると伝えるのはやめておきましょう。
辞めようとしていることが広まると働きづらくなりますし、仮に転職活動をやめて働き続けることを選択したときに気まずくなります。
一年目で転職するなら、どんな職場を選ぶべき?
あなたが転職したい理由に大きく影響されますが、おすすめの転職パターンは以下の3つです。
- 教育制度が整っている総合・大学病院
- 採用されやすい看護師不足の病院
- 全く新しい分野の職場
教育制度が整っている総合・大学病院
現在の職場は合わなかったが、看護師としてもう一度学びなおしたいという方におすすめしたいのが、教育制度が整った大型の病院です。
総合病院と大学病院の違いは、
- 基礎的な看護技術を学びなおしたい → 総合病院
- 高度な看護技術や最先端の医療に触れたい → 大学病院
という感じです。
どちらも看護師数が多く、教育制度が整っていますが、縦社会が厳しかったり独特な雰囲気があったりするので情報収集は欠かさないようにしましょう。
採用されやすい看護師不足の病院
看護師が不足している病院では、早期転職をした新人看護師でも採用されやすい傾向にあります。
看護師の数が少ない分、人間関係のもつれは減るので、働きやすい人もいるかと思います。
しかし、教育体制が整っていなかったり、新人では対応の難しい業務を任されることもあるので、こちらもよく情報収集しておくと良いです。
全く新しい分野の職場
病院看護師と業務が大きく異なり、病院での経験が必要とされない仕事であれば、新人看護師でも採用される可能性が高いです。
おすすめの勤め先は以下のとおりです。
- 美容外科
- 美容皮膚科
- 臨床開発モニター
- 老人ホーム
- 保育園
病院以外の仕事は、夜勤や残業のないものも多いので病院勤務が合わなかったり、キツイと感じた方は調べてみると良いかもしれません。
看護師が病院以外で働く場所については、下記の記事で詳しく紹介しているので気になる方は読んでみて下さい。
【病院以外で看護師が働く場所はどこなのか?待遇や年収まで詳しくまとめてみた!】
まとめ「一年目の看護師はみんな辛い」
当記事では、一年目看護師の転職をオススメしない理由と例外的に転職したほうがいい場合について解説していきました。
皆さんにお伝えしたいことは、
「看護師一年目はみんな辛いし、それを乗り越えて成長していく」
ということです。
ただし、例外があることも伝えさせていただきました。
この記事で、転職したほうが自分は幸せになれそう!と感じた方は転職活動について、より深く考えてみたください。
今の職場でもう少し頑張ってみるにせよ、転職して自分にあった仕事を探すにせよ、
みなさんが看護師としてより一層輝けることを願っております。
音楽専門学校を卒業後、外資系メーカーの日本法人にて営業に従事。その後、関西支社の立ち上げや営業部長を経て、30歳から人材紹介を行う。医療・IT業界を中心に、これまでに紹介件数400件以上、面談件数2,000人以上の実績を積む。特に医療分野では、日本全国の医療施設を周り、各地の地域性を学びIターンやUターン転職支援も行う。一人一人のキャリアプランも見据えたコンサルをモットーに、「提案する」キャリア支援を心がけている。