「最近残業が多くて辛いなぁ…」「他の病院もこんなに残業が多いんだろうか…」
看護師であれば一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
一般的に残業が多いと思われがちな看護師。
当記事では、そんな疑問に答えるべく、看護師の一ヶ月の残業時間を調べてみました。
それに加え、残業問題の解決方法や時間外労働の少ない診療科なども解説していきます。
目次
看護師の一ヶ月の平均残業時間は4.4時間!
日本看護学会が調べた2020年9月時点のデータでは下表のようになっています。
月平均超過勤務時間 | 割合 |
---|---|
0時間 | 7.5% |
0−1時間 | 12.2% |
1−10時間 | 66.4% |
10−20時間 | 9.9% |
20時間以上 | 0.9% |
この調査によると、正規雇用看護職員の66.4%が月に1−10時間の時間外労働をしていることが分かりました。
平均残業時間は4.4時間なっており、2019年調査の5.2時間から0.8時間短くなっています。
平均残業時間は短くなっていますが、未だに10時間以上残業している看護師は10%ほどいるため、
10時間以上残業しているという方は、転職や他の診療科への移動を考えてみてもいいかもしれせん。
看護師の残業の原因とは?
2交替、3交替の引き継ぎ
夜勤のある看護師の勤務携帯は、一般的に2交替制か3交替制になります。
2交替制は日勤と夜勤の二人体制、3交替制は日勤・夜勤・準夜勤による3人体制です。
日勤→夜勤、夜勤→日勤へ引き継ぎをおこなう必要があるため、時間外労働が多くなってしまいます。
看護記録の作成
看護師の重要な仕事の一つとして看護記録の作成があります。
看護記録とは、おこなった処置の内容や過程を記録するものです。
患者全員に対しつける、裁判などにも使われる重要な書類であるといった理由でどうしても記述に長い時間を要します。
最近では電子カルテが導入されたこともあり、作業の効率化が進んではいますが、他の業務との兼ね合いもあり、業務時間内に終わらないことが多々あるようです。
緊急入院や急変患者の対応
看護師として働く上でどうしても起こるのが、患者の急変と突発的な入院です。
人員体制がしっかりしている病院ならば残業せずに済む場合にもありますが、
ほとんどの場合勤務時間を過ぎても引き続き対応する必要があります。
時間外の研修や勉強会、会議
研修や勉強会などは、基本的には勤務時間内に行われます。
しかし、患者対応や他の業務に追われて勤務時間外に行われる場合もあります。
看護師が残業を減らすポイント4つ
仕事ができる人を真似し、作業の効率化を図る
時間内に業務をすべて終わらせるためには、一つ一つの作業をテキパキこなす必要があります。
特に毎日行う業務などは、たった一分縮めるだけでも長期的に見れば大きい差になります。
作業を効率化するには、自分で試行錯誤して最良の方法を探し出すのもいいですが、
できる上司や先輩の方法をそのまま真似するのが、一番簡単で手っ取り早いです。
リーダー看護師と相談し、勤務形態を改善する
もし、残業が多くて辛いなと感じたら早い段階でリーダー看護師に相談しましょう。
自分が思っていても病院や上司には気づいてもらえない場合があります。
病院の看護師に余裕のある状況であれば、他の看護師に処理しきれない業務を任せたり、
業務に当たる看護師を増やしてもらうといったことができるかもしれません。
病院に業務の改善の提案をする
病院側にお願いをすることで、
- 一人あたりの業務が多すぎる → 人員を増やす
- 2交替制で残業時間が発生する → 1時間時差出勤などの新しい勤務形態を作る
- 勤務時間前に時間外労働が発生する → 勤務時間中にカルテに目を通す時間を設ける
上記のような改善を見込めます。
病院側は看護師の業務のすべてを把握しているわけではないので、看護師側から改善の要求をすることが必要になります。
周りの看護師や病院側と良好な関係を築く
前述したリーダー看護師との相談、病院側への改善要求を成功させるには、自身がそういった周りの人々と良い関係を築いている必要があります。
誰しも、自分が好感を抱いている人からのお願いは聞いてあげたいと思うものです。
自分が働きやすい環境を作るためにも、ぜひ周りの人と協力関係を築き上げてください。
残業の多い・少ない診療科はここ!
残業の多い診療科
循環器科
循環器科は緊急性の高い心筋梗塞や心不全などの疾患を扱っています。
それ故に、急変患者も多いため残業が多くなります。
産婦人科
産婦人科は出産が予定通りに進まないことが多いため、時間外労働が多くなります。
ベッド数が多く、受け持つ妊婦の数が多いほど残業は多くなる傾向にあります。
手術室
手術が長引いたり、緊急の手術が入ることがあり、残業は多くなります。
難易度の高い手術ほど長い時間を要するため、勤務時間外に業務が差し掛かることがあります。
外来
規模の大きい病院になればなるほど、外来に訪れる患者の数も多くなります。
診療時間は決まっていますが、受付を済ませた患者は診察する必要があるので、業務が長引きやすいです。
残業の少ない診療科
精神科
精神科は手術がなく、医療的処置もないため残業は発生しにくいです。
しかし、患者が暴れあるなどイレギュラーな場面では定時で帰ることは難しくなるでしょう。
透析科
透析は基本的に時間が決まっているので、通常は定時で帰ることができます。
デイサービス
デイザービスは利用者が来所する時間が決められているため、残業は発生しにくいといえます。
まとめ「残業時間に悩まされているなら転職もあり」
当記事では、看護師の平均残業時間とその解決策まで紹介していきました。
残業時間を減らすポイントは、あくまで病院側の対応によるものが多いです。
もし、病院側が然るべき対応をしてくれない場合には転職をするのも手だと思います。
残業に悩まされていて転職を考えたいという方は、メディキャリねこでは転職についての記事も書いているので、ぜひご覧になって下さい。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
音楽専門学校を卒業後、外資系メーカーの日本法人にて営業に従事。その後、関西支社の立ち上げや営業部長を経て、30歳から人材紹介を行う。医療・IT業界を中心に、これまでに紹介件数400件以上、面談件数2,000人以上の実績を積む。特に医療分野では、日本全国の医療施設を周り、各地の地域性を学びIターンやUターン転職支援も行う。一人一人のキャリアプランも見据えたコンサルをモットーに、「提案する」キャリア支援を心がけている。