看護師の仕事は言わずもがな大変な業務が多いです。
そのため、看護師ができるだけ働きやすい診療科を望むのは当然のことではないでしょうか。
今回の記事は、
- 看護師が行きたくない科(業務がきつい科)を知りたい方
- 今現在、自分が行きたくない科に勤めていて辛い方
に、ご覧になっていただきたい内容になっています。
結論から言うと、看護師のキャリアでスペシャリストかジェネラリストか、
どちらを目指すのかで取るべき行動は変わってきます。
当記事では、看護師が行きたくない診療科8選とその対処法を紹介していくのでぜひ最後までお付き合いください。
目次
看護師が行きたくない科8選
前提として、看護師によって行きたくない科は個人差があります。
ネタバレになりますが、小児科や産婦人科などは好んで希望する方もいますので、その点はご了承下さい。
精神科
看護師が行きたくない科の1つ目は、精神科です。
その理由は、「精神的な負担が大きい」「身体的な介助が多い」の2点です。
まず、精神科はその名の通り精神に問題を抱える患者が多く集まります。
そのため、看護師の方にも「自分まで病んでしまいそう」と考える方が多いです。
精神の病は、看護の効果を感じることが少ないことも精神的な負担が大きくなる理由と言えます。
次に、身体的な介助が多いことです。
一般的に精神科は身体的に楽というイメージが定着していますが、入院患者の中には高齢な方も多く日常生活援助は少なくありません。
担当業務によっては身体的介助も多く、理想とのギャップが生まれやすいといえます。
泌尿器科・肛門科
看護師が行きたくない科の2・3つ目は、泌尿器科と肛門科です。
働きたくないとされる理由が同じなので、まとめて紹介させてもらいます。
理由は、「デリケートな部分である」ということです。
看護師には女性が多いこともあり、男性のデリケートの部分を見ることに対して不快感を抱くことが多いようです。
また、患者からも相談しづらく、看護師も声をかけづらいなど気まずく感じる場面があります。
循環器科・脳神経外科
看護師が行きたくない科の4・5つ目は、循環器科と脳外科です。こちらもまとめて紹介します。
理由は、「生死に直結する」「必要な知識が多い」の2点です。
まず、循環器科と脳外科はどちらも、急変リスクの高い診療科になります。
高齢な患者や危険度の高い患者が多いため、身体的にも精神的にも辛いといえます。
また、必要な知識・スキルが多いことも大きなポイントになります。
どちらの科も対応する疾患の数、薬の種類がとても多いです。
循環器科では、心電図を読めることが当たり前となっていてかなり神経を使うことが分かります。
小児科
看護師の行きたくない科の6つ目は、小児科です。
理由は、「子どもが苦しんでいるのを見たくない」「モンスターペアレントが怖い」といったものでした。
まず、心が成熟していない子どもは自身の病気を受け入れることが難しいとされています。
子どもは好きだけれど、病気と戦い、苦しんでいる姿は見ていられないという意見が多かったです。
また、少ないながらも子どもが苦手という意見も見られました。
小児科で働く上で子ども以上にストレスの原因になるのが、親御さんの存在です。
子どもを愛しているが故、子どもの状況に敏感で看護師に強く当たる保護者もいます。
クレームや無理な要求される場面もあるため、多く看護師から苦手とされています。
産婦人科
看護師の行きたくない科7つ目は、産婦人科です。
生命の誕生に立ち会えてやりがいがあるという方も一定数いますが、
「流産・中絶」「女医や助産師との関係」を行きたくない理由に上げる方が多かったです。
一般的に、出産は幸せなものという認識がありますが、出産は命懸けの行為です。
「出産の幸せなイメージ」と「現実の流産や中絶の多さ」のギャップに苦しむ場合があります。
また、産婦人科は医療事故で裁判になるケースもあり、行きたくないと思う看護師が多いようです。
また、産婦人科では女医や助産師との関係が苦手とする看護師も多いです。
看護師は女医や助産師から下に見られる場合があり、良好な関係を築くのが難しいとされます。
助産師の資格がないとできる業務も限られてくるので、資格を持たない人で希望する人は少ないとのこと。
手術室
看護師の行きたくない科の最後は、手術室です。
行きたくない理由には、「血を見るのが苦手」「医師に合わせるのが大変」といったものが挙げられます。
手術室は、医師が決まっておらず、手術をする医師に合わせる必要があります。
医師ごとに手術の手順、器械出しのタイミングが違うなど、臨機応変なコミュニケーションを求められるため、「緊張する」「テンパる」といった声が多いです。
【辛いだけじゃない】行きたくない科で働くメリット
スキルアップできる
看護師として働く上で、きつい診療科だからこそ得られる経験もあります。
それぞれの診療科で働くメリットをまとめてみました。
- 精神科 → 他の診療科の患者の心のケアにも応用できる
- 泌尿器科・肛門科 → 患者の気持ちを汲み取って、羞恥心を取り除く細かい気遣いができる
- 循環器科・脳神経外科 → 緊急時に落ち着いて対応できるようになる、様々な疾病に関する知識がつく
- 小児科 → 患者の小さな変化に気づく観察眼が身につく、患者の家族とのコミュニケーションがうまくなる
- 産婦人科 → 慢性期と急性期、新生児と成人といった幅広い知識や技術を学ぶことができる
- 手術室 → 様々な診療科の手術、最新の医療機器・医療技術を学ぶことができる
これらに加えて、循環器科でいう心電図のように、それぞれの診療科で必要とされるスキルは違うため、看護師としての技術力を高めることができます。
また、中堅以上の看護師の中には、
「体も頭も働く若い頃に、ハードだがスキルアップにつながる診療科に行きたかった」
という声もあるため、きつい科を避けず、あえて選ぶのも良いかと思います。
キャリアアップにつながる
経験のある看護師には、「ジェネラリスト」と「スペシャリスト」の2種類があります。
- ジェネラリストナース・・・幅広い分野の知識やスキル、経験を有する看護師
- スペシャリストナース・・・特定の分野に関する深い知識とスキル、経験をもち、高いパフォーマンスを発揮できる看護師
どちらも管理職になる機会がある看護師ですが、スペシャリストナースになるには特定の資格が欲しくなり、ジェネラリストナースには様々な診療科での経験が必要になります。
管理職への昇進を望んでいて、ジェネラリストを目指す看護師の方は、
きついと思う科で働くことがキャリアアップへの最短の道になります。
行きたくない科に配属になったときの対処法
行きたくない科に送られてしまったときの対処法は以下のとおりです。
- 我慢する、そして慣れる
- 上司に相談する
- 転職する
それぞれ詳しく解説していきます。
我慢する、そして慣れる
対処法になっていないかもしれませんが、看護師の中で一番多いパターンがこれでしょう。
最初は嫌だったけど、働いていくうちに良い面も見えてきたという方も多くいます。
探してみると、同じ職場の看護師にもそういう方がいるかも知れません。
また、その診療科が好きな看護師の話を積極的に聞いてみるのも良いでしょう。
他の看護師の思いに触れることで、やりがいを見出すこともできるかもしれません。
行きたくなかった科であっても、働く環境や人間関係が良いから勤め続けられるという方も少なくないです。
とりあえず、少しの間は我慢して働いてみることをおすすめします。
それでもやっぱり苦手という方は、次のことをしてみて下さい。
上司に相談する
少し働いてみてダメでも、辞めてしまう前に一度上司に相談してみましょう。
相談した結果、希望の診療科への転科を病院側に打診してくれることがあります。
これが成功するかどうかは、上司との日頃の関係性が重要になってきます。
もし、あなたが苦手な診療科なりに頑張って働いていたなら、病院に掛け合ってくれるでしょう。
しかし、苦手な科だからといってやる気の無さを出しすぎていたら、あなたのために動こうとはしないと思います。
どんなに仕事がつらくても頑張ってみることが上司の心を動かします。
転職する
前述した2点がダメだった場合には、転職を考えてみましょう。
転職をすることで、自分の行きたい診療科や病院以外の看護師の職場への勤務が実現できます。
転職する場合は、転職サイトを利用することをオススメします。
理由は、以下の3つです。
- ヒアリングを通して、自分にあった診療科・仕事を提案してくれる
- エージェント経由でしか応募できない求人を紹介してくれる
- 履歴書添削や面接対策までサポートしてくれる
自分が行きたい診療科や仕事が明確な人は良いですが、看護師の中には苦手な診療科だけがはっきりしている方や病院以外の仕事の適正は全くわからないという方も多いと思います。
転職サイトでは、あなたの経験や志向からピッタリの診療科・仕事を一緒に見つけ出してくれます。
また、転職サイトは一般には公開していない求人が多くあり、特に高待遇の求人はエージェント経由でしか応募できないことも多いです。
求人の少ない診療科や仕事への転職を望まれる方は、利用されることを強くオススメします。
さらに、転職サイトには履歴書や面接対策までしてくれるものもあります。
転職者が希望の診療科に行けるかは、面接での会話にも大きく左右されるため、ぜひ利用しましょう。
看護師が行きたい診療科で働く方法
希望の診療科で役立つ資格を取得する
これは、前述した「スペシャリストナース(認定看護師)」を目指すということです。
スペシャリストナースになると、ある特定の診療科でスキルアップ・キャリアアップをすることができます。
故に、自分の行きたい診療科が決まっている場合には、認定看護師資格の取得をオススメします。
しかし、専門看護師は5年以上の実務経験と3年以上の専門分野看護の実務が必要になります。
この条件を満たしている人は良いですが、当記事を見ている方には5年目に満たない看護師の方も多いでしょう。
そういった方には、看護師としての経験がなくても取れる資格を紹介していきます。
- 精神科 → 公認心理士
- 小児科 → 社会福祉士
- 産婦人科 → 助産師
- 循環器科 → 循環器専門ナース
- 整形外科 → 回復期リハビリテーション看護師
これらは、ほんの一部ですが希望の診療科に有利になる資格です。
診療科別のオススメ資格は「【全62個】看護師のプラスになる資格一覧」の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
助産師は、国家資格ですし、取得難易度は高いですが、取れば確実に産婦人科に配属されます。
そもそも産婦人科は看護師はあまり配属にならないため、助産師になることを強く推奨します。
難易度にばらつきはあるものの、どれも希望の診療科に近づくためには有用な資格なため、是非取得を検討してみて下さい。
転職する
「行きたくない科に配属になったときの対処法」でも挙げましたが、
希望の診療科に行くためには仕事を変えるのが一番現実的です。
転職については、上記の通りなのでここではオススメの転職サイト4選を紹介します。
転職サイト | 特徴 |
---|---|
看護roo! | ⚪利用者満足度96.3% ⚪面接対策や履歴書添削などのサポートあり ⚪高給与・好条件の求人が多い 申込みはこちら |
看護のお仕事 | ⚪累計40万人の利用者 ⚪11万を超える豊富な求人数 ⚪早期離職や長いブランクにも丁寧に対応 申込みはこちら |
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まとめ「スペシャリストかジェネラリストか」
当記事では、看護師が行きたくない科8選とその対処法について紹介してきました。
行きたくない科に配属になったときどうするか、様々な方法を提示してきましたが、
結論は、目指すものがスペシャリストかジェネラリストかを決めることが重要だということです。
行きたくない科に配属されたときの対処法は、
- スペシャリスト → 希望の診療科への転科に有利な資格取得、または転職
- ジェネラリスト → 様々な科での経験が必要なため、我慢する・慣れるといった働き続ける工夫をする
になります。
自分の進みたいキャリアを明確にして、後悔のない選択をして下さい。
ここまで読んでいただいたみなさま、ありがとうございました。
音楽専門学校を卒業後、外資系メーカーの日本法人にて営業に従事。その後、関西支社の立ち上げや営業部長を経て、30歳から人材紹介を行う。医療・IT業界を中心に、これまでに紹介件数400件以上、面談件数2,000人以上の実績を積む。特に医療分野では、日本全国の医療施設を周り、各地の地域性を学びIターンやUターン転職支援も行う。一人一人のキャリアプランも見据えたコンサルをモットーに、「提案する」キャリア支援を心がけている。